2014年05月05日

私は、古い貸家を所有しておりましたが、この土地を売って欲しいという人が現れましたので、その貸家を取り壊して売却することになりました。この取り壊しに約100万円かかりましたが、この費用は譲渡費用として控除することができますでしょうか。また、譲渡費用の範囲についても教えてください。

<解答>
 土地等の譲渡に際し、その土地等の上にある建物等を取り壊した場合は、その取り壊しがその譲渡のために行われたものであることが明らかであるときは、譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用として控除することができます。
 これは取り壊しにより、その土地等の価値の増加が見込まれるためです。
 ただし、更地の方が売却に有利だからとあらかじめ建物を取り壊していた場合には、任意の取り壊しということになり、譲渡費用には該当しなくなります。「譲渡のために直接要した費用」であるかどうかがポイントとなるため、譲渡契約書に取り壊しを条件として記載するなど、その取り壊しが譲渡のために行われたものであることを明らかにしておくことが大切です。

<解説>
 譲渡所得は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。譲渡費用とは、土地や建物を売るために直接かかった費用のことをいい、建物の取り壊し費用のほか、建物の未償却残高相当額も含まれます。
 従って、譲渡費用は、次のように計算されます。
 建物の取得費(未償却残)+取り壊し、除却による支出費用—取り壊し、除却により発生した廃材の処分価格

 また、譲渡費用の主なものは次のとおりです。

不動産を売却するために直接要した費用
(1) 売買契約書の土地や建物を売るために支払った仲介手数料。
(2) 印紙税で売主が負担したもの。
(3) 売却のための広告料。
(4) 測量費。
(5) 売却交渉のための交通費及び宿泊費。
(6) 各種の調査費用(アスベスト調査、耐震診断、その他)。

不動産の譲渡価額を増加させるために支出した費用
(1) 貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料。
(2) 土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取り壊し費用とその建物の損失額。
(3) 有利な条件で譲渡するために契約を解除したときの違約金。

このように、譲渡費用とは売るために直接かかった費用をいいます。
したがって、以下は譲渡費用となりません。
(1) 固定資産税、都市計画税。
(2) 家財等の引越し費用。
(3) 抵当権抹消登記に要した費用。
(4) 相続の名義変更登記費用等。
(5) 売却代金の取り立てに要する費用(弁護士費用等)。
(6) 譲渡所得のために支払った税理士報酬。
posted by uiha130808 at 00:00| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2014年03月06日

不動産売却を考えた場合、不動産業者にはいつ頃から相談をした方がよいですか?

<解答>
 目的達成の具体的な期限があるのであれば、すぐに相談されることをお勧めします。通常でも売却完了から約半年かかることが見込まれます。

<解説>
 お客様との打合せでは、納期や方法を決めるほか、具体的に納期の障害となる項目がないかを確認します。

1、 打合せの事項
(1) 動機
 買換え(家族が増えた)、転勤、両親と同居、不要不動産(離婚)、合併統合、事業再生など。

(2) いつまでに(納期)
 納税のために、購入物件の代金支払いに合わせたい、税制上の恩恵を受けるために。

(3) だれが(物件所有者)
 本人、妻が、父、母が、叔父、叔母が、相続人全員で。

(4) 何を(対象不動産)
 ご自宅、別荘、相続不動産、投資用マンション、事業用物件、自社社宅、遊休不動産、自社社屋など。

(5) どのように(方法手段)
 指定流通機構(レインズ)への登録、ポータルサイトへの掲出、既存顧客へのご紹介、新聞の折込チラシへの掲載、不動産情報誌への掲載、などの媒体を利用する(OPEN型)
 現在居住中なので・・・、ご近所に売却をしていることを知られたくないので・・・、会社の資産を売却するので、風評被害を避けたい。(CLOSE型)

(6) どこで売却(売却の窓口)
 売却依頼をする会社(デベロッパー系不動産会社、金融系不動産会社、電鉄系不動産会社、弁護士・税理士系不動産会社、管理会社系不動産会社、中小不動産会社など。)

と、かなりの情報をお聞きすることとなります。

2、 売却の障害、納期の障害となる要因。
(1) 相続登記が未了。
 不動産の登記については、未了であっても罰則や義務の定めはありません。しかし、不動産の売却をする場合には、不動産投機が未了では売却はできません。たとえば相続財産を売却する場合、売却前に、被相続人から相続人に土地や建物の不動産の名義変更手続きを行う必要があります。「遺産分割協議書」を作成した場合でも、その分割時点では相続人間の合意が取れていても、時間が経過すると、「共有者の一人に二次相続が発生していたり」「後から分割の仕方に不満が出たり」と当時と状況が変化することがあり、その場合は簡単に相続登記を行うことが出来ません。通常の相続登記であれば、1ヶ月程度で完了するところを、場合によっては登記の完了の目処が立たない場合もあります。

(2) 測量図
 測量図の種類には、現況測量図と確定測量図があります。

現況測量図:民有地について、隣地所有者等の立会いを得て、測量士、土地家屋調査士等の資格ある者により、作製された測量図。国または地方公共団体が所有、管理している道路、水路等(官有地)との境界線の確定は必要ありません。

確定測量図:官有地、民有地について、隣地所有者等の立会い(境界画定)を得て、資格ある者によって、作製された測量図。

 従前では、一般の社宅地、戸建も公簿売買(登記簿の面積での売買)での取引が行われていましたが、登記簿面積と実測面積はほとんどが一致していないため、後々にトラブルになるケースもあり、買主側がこれらの測量図の作製を求めることが多くなりました。これらの測量図は製作過程で、隣地、近隣に協力を得なければなりません。ふだんより、ご近所付き合いをされていれば、協力も得やすくなりますが、全く交流がないと立会いスケジュールも遅れるばかりか、境界石等が不明なケースでは最悪の場合、協会のポイントも定まらないという事態になります。立会い日や、ポイントが定まらない理由には、「知らず知らずのうちに、こちらの塀が隣地に越境していた」「塀の所有がどちらかわからない」「先代より昔と境界石の位置が違うと聞いている」「隣地が所有している測量図をもとに割り出すと、現況のポイントがずれてしまう」「お互いが(先代が)好意を持っていない」等々、様々な理由が考えられます。
 また、相続税の物納申請や法人(宅地宅建取引主任業者を含む)との取引となると、確定測量図を作製しなければなりません。確定測量図の作製は、国または地方公共団体の立会いが必要となりますので、確定測量図ができるまで、通常で3ヶ月を要します。査定ポイントが定まらなければ、時間ばかり経過し、完成まで目処が立たなくなってしまいます。

(3) 売却不動産の整備が必要。
 売却不動産が借地ということであれば、事前に「売却する旨(譲渡承諾を得る)」を地主と話し合い、売却時の諸条件も含め決めておかなければなりません。自宅に接している道路が私道(個人、共有で所有している道路)の場合、上下水道、ガス管を新たに敷設する場合には、土地所有者の承諾が必要となります。認定外道路(公道として認定することが困難な道路、維持管理は市区町村)を除きます。また同じ私道でも、行き止まりの道路らしい私道(通常「位置指定道路」(建築基準法の第42条第1項第5号)と呼びます。)に面している場合、本来の役所に申請した図面と現況の道路形状が異なり、再建築をする場合、接道要件を満たしていない場合がありますので、注意が必要です。
 越境物の撤去(ひさし、塀)などは、過去に取り決めが無い場合、新たに隣地当事者との取り決め(覚書)が必要となります。

(4) 本人確認にともなう、成年後見制度。
 平成20年3月の「犯罪収益移転防止法」の施行により、不動産売買の取引に関与する宅建業者は、売主・買主及びその代理人の本人確認を行い、本人確認記録の作成・保存、取引記録の作成・保存、「疑わしい取引」の届出を行うことが義務付けられています。したがって、不動産にまつわる事務手続きでも、本人確認が必要となり、たとえば売却の依頼を頂く際の、媒介契約時にも必要となります。法律行為を行う際には、行うに必要な判断能力が不可欠となり、通常不動産の売主は、未成年者ということはあまりなく、どちらかというと高齢者の方が多くなります。現在の市況では、売却の依頼をいただき、具体的な買主をお探しするまで、長いもので数年を要する案件もあります。したがって、媒介契約時には、お元気で判断能力があった方も、売買契約時、最終の残代金・決済時には判断能力がなくなってしまった、という事態も考えられます。このような場合の問題の解決策として、「成年後見制度」を利用するという方法があります。

「成年後見制度」とは・・・
 成年後見制度には、任意後見制度と法定後見制度があります。
任意後見制度:将来、判断能力が不十分となった場合に備えて、「誰に」「どのような支援をしてもらうか」をあらかじめ契約により決めておく制度です。

法定後見制度:判断能力が不十分になった場合に、家庭裁判所が、援助者として成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)を選ぶ「法定後見制度」が利用できます。利用するためには、家庭裁判所に審判の申立てをします。本人の判断能力に応じて、「後見(判断能力が全くない方)」、「保佐(判断能力が著しく不十分な方)」、「補助(判断能力が不十分な方)」の制度を利用できます。

 売却のお手伝いをさせていただく際には、これらのような事柄に注意しながら進めてまいりますが、状況によっては、解決に時間がかかる要件もあります。お客様の背景やご事情は、どれ一つと同じものはありません。一つのお取引を終えると、そのお客様の個人の情報が全て分かってしまいます。逆に、これだけの情報を見ず知らずの担当者に開示するわけですから、信用できる人でのご相談をお勧めします。
posted by uiha130808 at 09:47| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2013年11月25日

保証債務の履行とは何ですか。

Q、B社よりAさんは5000万円を借り入れていた。私はAさんの保証人となった。
 ところがその後、Aさんは資金繰りの状況が悪くなってしまい、債務を弁済することが不可能になってしまった。そして、B社は私に弁済を要求してきたため、私は所有していた不動産を1億5000万円で売却することにし、その債務の弁済をすることが可能となった。
 私はこの譲渡により、譲渡益が発生してしまったが、この譲渡益について、「保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の課税の特例」は適用されるのか。なお、譲渡した資産はその債務の担保となっていなかった。

<解答>
 「保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の課税の特例」においては、譲渡した資産が担保となっているかどうかは問われることはない。したがって今回の事例においては、他の要件を満たしていれば特例の適用を受けることが可能となる。

<解説>
1、 特例の内容
 主たる債務者Aさんの保証人となった私が、その保証債務を履行するために、資産を譲渡した場合において、その債務を履行することにより取得した求償権の行使が不能な場合については、譲渡が、その譲渡のうち一定金額について、なかったものとみなされる。

2、 譲渡がなかったものとみなされる金額
 保証債務を履行するために資産を譲渡し、その求償権の全部または一部を行使することが不可能になってしまったときは、次のいずれかの金額のうち最小の金額の譲渡がなかったものとみなされる。

一、 求償権の行使が不可能となったときの直前における総所得金額、上場株式等に係る配当所得の金額、土地等に係る事業所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、分離長期譲渡所得の金額、分離短期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額。
二、 求償権の行使不能額。
三、 求償権の行使不能額に係る上記一、に掲げる金額の計算の基礎とされる譲渡所得の金額。

3、 計算例
 上記事例について、以下の前提で計算をしてみよう。

譲渡収入・・・・・・・・・・・1億5000万円
取得費・・・・・・・・・・・・750万円(みなし取得費:譲渡収入×5%)
譲渡経費・仲介手数料・・・・・50万円
求償権の行使不能額・・・・・・4000万円
債務を弁済した金額・・・・・・4000万円
保証債務を履行した人のその年の総所得金額等の合計
→5000万円

長期譲渡と仮定
収入金額・・・・・・・・・・・1億5000万円
譲渡とみなされない金額・・・・4000万円
取得費・・・・・・・・・・・・750万円
譲渡所得・・・・・・・・・・・1億200万円
税率・・・・・・・・・・・・・20%
譲渡経費・・・・・・・・・・・50万円
譲渡所得税・住民税・・・・・・1億200万円×20%=2040万円

 上記のように、この例を適用することによって、譲渡所得の金額から「譲渡とみなされない金額」4000万円をマイナスすることが可能となる。

4、 借り換えた場合
 保証債務の履行の特例は、当初主たる債務者に弁済能力がないことを知りつつ、連帯保証をした場合には適用がされることはない。したがって借り換えた場合において、その弁済能力の判定時期が、当初なのか、借り換えた時点なのか判断に迷うところとなるだろう。
 この問題に対し、さいたま地裁2004年4月14日判決は、債権者が異なり、新たに抵当権を設定した場合であってもこの特例を認めている。
 つまり、当初の契約時において、求償権の行使が可能であると認識できる場合にはこの特例の適用があることとされている。
(注)2013年1月1日から2037年12月31日までの間は、復興財源確保法により、所得税に加えて、復興特別所得税がかかる。
 本問の場合は、税率が
所得税:15%、復興特別所得税:0.315%、住民税:5%の合計:20.315%
となる。
posted by uiha130808 at 10:08| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。